ロシア革命や日本の20世紀を予測しかねない洞察力
ヨーロッパ編中巻。ロシア、デンマーク、スウェーデン、ドイツ(再訪)、イタリア、オーストリアを巡る。この旅では、まず、ロシアの皇帝をはじめとした貴族と国民大衆との貧富の差の凄まじさに注目する。それはヨーロッパのどこよりも上は高く下は低く、その差は耐え難い程との印象を記している。それから半世紀もたたずにロシア革命が起こるのだが、その背景を正確に読みとっている。イタリアでは、文明の栄枯盛衰を目の当たりにする。 前巻のベルギーやオランダを含めた小国を他の大国と比較考察し、小国の生きる道が自主の精神と営業力にある、と結論している。その考察を読むと、明治以後のわが国の歴史を想い、具体的にはともかくも、使節団がその進む方向をしっかりと予測していたと思わずにいられない。 岩倉使節団または久米邦武の鋭い洞察力に驚くとともに、現在も、各級議会の議員さんなどが外国視察に行かれるが、この本をその際の必読書に推薦したら、とふと思った。
岩波書店
特命全権大使米欧回覧実記 (3) (岩波文庫) 特命全権大使米欧回覧実記 (5) (岩波文庫) 特命全権大使米欧回覧実記 (2) (岩波文庫) 特命全権大使米欧回覧実記 (1) (岩波文庫) 明治維新と西洋文明―岩倉使節団は何を見たか (岩波新書 新赤版 (862))
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